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もしも、ピアノが弾けたなら~♪ #01

更新日:2024年9月15日

あまりにも有名なこのフレーズ(若い方は知らないかも!?)。実は、この一言には、ピアノを始めるにあたってとても大切なポイントが凝縮されているように思います。その理由は、「なぜ弾きたいと思うのか、その強い意志があるから!」です。


「もしも、ピアノが弾けたなら、愛する家族が驚くくらい思いを込めて演奏したい!」  

「もしも、ピアノが弾けたなら、普段は会話しない娘と一緒のステージに立ちたい!」  

「もしも、ピアノが弾けたなら、言葉じゃ照れ臭いから、音楽に乗せて感謝を表したい!」


こんなふうに、ピアノを弾く理由や目的が明確であると、それが原動力となり、ピアノの練習を続けることができるんです。西田敏行さんが歌った歌詞にも通じますが、「弾けたらどんなに素晴らしいか」を自分の中でしっかりとイメージできることが、ピアノの上達においてとても大切なことなんです。


テクニックを身につけること以上に、「何かを表現したい」という気持ちがあるかどうかが、ピアノの継続的な学びには欠かせません。“Eri Piano Wonderland” では、そんな「表現したい」という気持ちに寄り添ったアプローチで、ひとりひとりに合わせたカスタマイズレッスンを行っています。

Kさんからの突然の依頼

今年の冬、大人の生徒であるKさん(40代・男性)から突然メッセージが届きました。


「オンラインでピアノレッスンをお願いします」


Kさんとは以前から奥様のTさんを通じてお付き合いがあり、Tさんには昨年、私のウェブサイト制作を手伝っていただいたことがありました。その際に、オンラインレッスンのテクニカル部分のサポートもお願いしていたため、正直なところ、最初は「本気で弾けるようになりたいのかな?」という気持ちがありました。Kさんの親心からのフォローなのかな、と少し疑問に思い、思わず「ガチですか?」と聞いてしまいましたが、Kさんは真剣に「ガチです」と返事をくださいました。


愛息R君への想いがきっかけ

聞けば、Kさんの愛息子であるR君が『宇宙戦艦ヤマト』のアニメが大好きで、彼と一緒に歌いながらピアノを弾けたらいいなと思ったのがきっかけだったとのこと。わあ、なんて素敵なんでしょう!私も『さらば宇宙戦艦ヤマト』の大ファンで、オープニングテーマ曲を何度も歌いながら演奏した世代。これはぜひ一緒に頑張りましょう!


オンラインレッスンのスタート

オンラインレッスンでは、私はiPadとiPhoneの2台のデバイスを使って、生徒さんに顔を見せながら指導し、手の動きや楽譜も見せられるように工夫しています。Kさんも同様に準備してくださり、レッスンがスタートしました。


初心者マーク🔰をつけたKさんのレッスンが始まりましたが、大人としての落ち着きや愛息R君へのモチベーションに加え、Kさんには独特の強みがありました。Kさんは音符に付いている指番号にすぐ反応でき、1枚の絵のように音符のまとまりを見ながら指番号を同時に確認できるという、初心者には難しいことが比較的スムーズにできるのです。そのため、複雑なアレンジも驚くほど早く習得されていきました。


直面した壁と挫折

しかし、大人の生徒さんが陥りがちなある悩みを抱えていました。それは、「できない」ことに関して「はぁ〜」とため息をつきながら、必要以上に凹んでしまうことです。おまけにお仕事のピークと風邪によるダウンも重なり、今が頑張り時という時にネガティブな出来事が重なって……。正直、もうこれ以上プッシュすることは無理かな、アレンジを簡単にした方が良いのかな、という気持ちになっていた時にKさんからポツリと一言。


「ピアノっていいですね」 


その言葉にハッとさせられました。この気持ちを味わってもらいたくて、この楽しさを共有したくて、私は生きているんだな、とじーんときました。


さらなる成長への欲求

Kさんは、演奏する曲が持つ躍動感を理解しているので、シンプルなアレンジに慣れてくると、もっとカッコよく弾きたいという欲求が次第に強くなってきました。私はKさんに細切れのカッコいいフレーズを少しずつ見せながら、彼のモチベーションを引き出していきました。Kさんはそのフレーズを見て「それがあると原曲っぽいですね!」と興奮し、大気圏を突破したかのように勢いづいていきました。


本番前の課題

しかし、本番前の最後のレッスンで、Kさんは珍しく途方に暮れた様子でした。息子と合わせると演奏がうまくいかないと悩んでいました。演奏を聴くと、Kさんの気持ちが前のめりになりすぎているのか、一拍分足りない箇所が出ていたのです。Kさんは愛息R君と一緒に舞台に立つことを目指しているため、基礎に戻り、もう一度一緒に練習しました。Kさんは粘り強く練習を続けました。そして、本番の日を迎えました。


親子のチームパフォーマンス

Kさんはご自身のピアノソロでは少し緊張していた様子でしたが、愛息R君とのパフォーマンスでは驚くことに、R君の方を見ながらピアノ伴奏をするKさんの姿がありました。その眼差しは、まるで子どもから目を離さずに見守る動物の親のようでした。

そして、問題の1拍少ない箇所に差しかかると、なんと愛息R君がその変拍子を見事に乗りこなし、絶妙なラフティングを披露!息の合ったチームパフォーマンスに、拍手拍手でした!

演奏が終わった後、R君がニコニコと感想をマイクで話す姿に、Kさんは優しく肩に手をかけていました。その優しい笑顔に、奥様のTさんもきっと惚れ直したことでしょう。

私たちピアノ講師が手伝えるのは、ほんの一部のことです。最後の仕上げは、本人や演奏者自身が、自分たちだけのやり方、息遣い、そして気概で成し遂げるものです。同じゴールに向かって進んでいく様子は、まさに今佳境を迎えているオリンピックの数々のドラマと何ら変わりはありません。

おめでとう、Kさん。よかったね、R君。そしてTさん。まだまだこれは始まりです。これからも、もっともっとたくさんの物語を音楽という糸で紡いでいってくださいね!


男の子(息子)の歌に伴奏する男性(父)
KさんとR君の本番の様子

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あなたもピアノを始めてみませんか?

もし、あなたも「ピアノが弾けたなら…」と想像したことがあるなら、その気持ちを現実にするお手伝いをさせてください。“Eri Piano Wonderland” では、オンラインレッスンも行っており、場所を問わずどこからでもレッスンを受けることが可能です。


初めての方には体験レッスンもご用意していますので、まずはお気軽にご参加ください。あなたの「表現したい」という気持ちに寄り添い、あなただけのカスタマイズレッスンを提供いたします。


詳しくは、https://www.eri-piano-wonderland.com からお問い合わせください。お待ちしております!



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